●名前について

「牛」という漢字は、牛の頭部を描いた象形文字からきている。また、サンスクリット語では「ウクシャ」といい、日本語の「ウシ」は、ここからきているといわれている。なお、奥州地方は「ベコ」、九州南部で「ベブ」、四国・中国地方は「コットイ、ベベノコ」など、地方によって多少なまりがみられるのも面白い。動物学上では、家畜牛の学名はボスタウルスBos taurus。キャトルCattleは、ウシ属 Bos の総称で、成熟した牡ウシは、ブルBull、牡の幼牛はスティファー Steer。 カウCowは牝牛で、牝の幼牛はヘファーHeferとよぶ。ちなみに、哺乳期の牡牛をカーフCalfと呼ぶが、これは牛だけに限らず、鯨や象や鹿など大型の哺乳類動物一般を通じて哺乳期を総称する呼び方である。
●なぜ牛歩?

歩みの遅い様を「牛歩」というが、なぜ牛は歩みが遅いのだろう?ドイツにおもしろい伝説がある。昔、昔、人間は牛の力が強いのを利用して、むやみに重い荷を背負わせていた。重いながらも黙って背負って歩いていた牛だが、ついに「いつ休ませてくれるのか」と人間に尋ねてみた。すると驚いたことに、「いつになっても休ません。死ぬまで働くのだ」との返事。それを聞いた牛は「なんてこった!そんならモウ急ぐまい、早かろうが、遅かろうが同じことじゃないか」と嘆いた。そこで座り込むかと思いきや、根がまじめな牛は渋々ながらも歩くことに!しかし当然のことながらその歩みは遅くなったとさ。
●牛の胃は何個あるの?

反芻(はんすう)することで有名な牛は、四個の胃を持っている。第一胃と第二胃は、食道の変化したもので、ここから食べ物がもう一度口に戻され、再び噛んで、第三胃、第四胃に入る。第三胃は、胃の食道部にあたり、第四胃が、消化作用をする “本来の”胃なのだ。ちなみに、仔牛ではこの反芻胃の発達は見られないので、大人ならでは技というわけ。他にも、ウシ科に属する、スイギュウ、ヒツジ、ヤギはもちろん、ヒトコブラクダやフタコブラクダ、リャマやアルパカなども反芻胃を持っている。いずれも、天敵を逃れてゆっくり採食できる、温順で、群れて生活する動物たちだ。
●土用丑の日???

一説によると、安永(1772〜1781年)の頃、当時の知恵モノ・平賀源内のもとに、ある鰻屋の主人が店を繁盛させる方法を教えて欲しいと相談に訪れた。源内が「土用の丑の日に鰻を食うと病にかからぬ」という貼り札を出させたところ、客が来るわ、来るわの大繁盛。それにしても、どうして土用の丑の日だったのだろうか。実は、主人が相談に訪れた日が丑の日だったので思いついたアイデアだったとか・・・。それでも、人々はあの源内先生のお話だからと鰻屋に押し寄せた。現在では、それが鰻屋のならわしとなって、土用丑の日には特別に売り出す習慣となった。
●美味しさには、格がある。

牛肉の品質・価格の指標となるのが格付け(等級)。格付けは、「歩留等級」と「肉質等級」とがあり、「歩留等級」は「A」標準より良いもの、「B」標準的なもの、「C」標準より劣るものの3等級に分かれている。「肉質等級」は、「脂肪交雑」、「肉の色沢」、「肉の締まりおよびきめ」並びに「脂肪の色沢と質」の4項目。各項目の部位はいずれも第6〜第7肋骨間切開面総合判定される。「肉質等級」の判定は5段階評価で決定され、最高は5。つまり、「歩留等級」と「肉質等級」から判定された、最高格付けは、A5というわけだ。なお、この基準は外見だけのもので、その牛の血統などは審査基準には含まれない。
●聖なる生き物、牛。

古代エジプトでは、ネコ、ハヤブサ、ワニ、ヒヒ、トキ、羊など、様々な動物が神として崇拝されていた。 牛もその一つで、プタハ神の聖獣とされ、メンフィスのプタハ神殿で飼われた聖なる牛アピスは死ぬとミイラにされ、 サッカラの聖牛の墓地、セラペウムに埋葬された。ローマ時代のルクソール周辺では聖牛信仰が盛んに行われた。 遺構の周りからは多数の牛の埋葬も確認されている。また、インドの祇園精舎の守護神は牛頭(ごず)。日本でも神社にいくと、よく牛の石像をみかけるが、やはり神聖な生き物として崇拝されていたようだ。あ!そういえば閻魔大王の側に仕えているのも、牛頭天王だ!
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